現在の資産運用の環境について
現在の資産運用の環境についどのように認識しているかです。
やはり資産運用の中心は何と言っても株式なので
株式相場の状況についてどう考えるかを述べましょう。
まず経済の流れは10年くらいの周期で動いていると言われています。
(経済用語ではこれを中期の景気循環=ジュグラー循環と呼んでいます)
その過程を私流に書くならば、およそ次のようになります。
①不況のどん底から、金融緩和によってようやく景気が底から脱する、明るい気配が見え始める。
②景気が回復し始め、金融緩和を追いかけるように、企業の業績も底を脱して増収増益が始まる
③雇用も回復し始め、失業率が低下し賃金も増え始める。企業の増収増益も続く
④物価の上昇が目立ち始める。このため金融緩和は終了し、引き締めの方向へと舵が切られる。
⑤ずっと続いていた企業の増収増益も終わり、目立った物価の上昇も一段落し、景気に天井のサインが点灯し始める。
⑥企業の減収減益が目立つようになり、失業率も上昇し雇用にも影が出るなど、不況が明らかになり始める。
株式相場もおよそ10年を周期とするこの景気循環に大きな影響を受けるわけで、
一般的に資産運用を考える人にとって、10年は最も重要なサイクルでしょう。
そしてまさに今の日本は①~④までのどのフェーズにいるかですが、
これも私流に解釈するなら④~⑤のフェーズにいると言えるでしょう。
日本では物価上昇とか金融引き締めと言った、④のフェーズの特徴が見えにくいですが
アメリカの状況はまさに④の特徴がそのまま出ている形になっています。
株式相場の天井や底と、景気の天井や底と時期が一致するとは限りません。
しかし、株式相場は「常に景気の先を読んで動く」と言われているので、
景気が天井を付ける前に相場の下落が始まることが多く
10年周期での相場の下落が始まるとそれは通常2~3年は続きます。
例えば
1990年の日本のバブル崩壊、2000年のアメリカのITバブル崩壊、
2007年のリーマンショック、
いずれも相場の天井から底まで2~3年がかかっているわけです。
もし今回同じようなことがすでに起きている、もしくは近い将来に起きるとすると、
それはコロナバブル崩壊相場として人々の記憶に刻まれることでしょう。
本来は10年周期で起きる大きな下落相場が2007年のリーマンショック以降
15年間も起きていないのも気になるところです。